pupan bakeryには、自慢のドイツパンメニューがたくさんございます。
オーダーいただいた場合のみのご用意となりますが、
店頭でもお買い上げいただくことができます。
素材にこだわり、本場ドイツより持ち帰ったサワー種で作る
本場仕込みのドイツパンをお楽しみください。
初めての方には、その素材感、香りに驚く方もいらっしゃるかもしれません。
一口にドイツパンと言っても、さまざまな種類があります。
ずっしりと重みのある素材感と、香ばしい香り、
噛めば噛むほどじんわりと味の広がる食べ応えのあるところが魅力です。
「ドイツパン=ライ麦パン=黒パン?」とも限りません。
ドイツは、街の数だけパンの数があると言ってもよいほどパンの国。
ライ麦を中心としたパンも多いですが、もちろん小麦のパンもあります。
ただ規格がとても厳格で、砂糖や油脂を多く含むものはパンと呼ばれていなかったり。法規上【穀物と酵母を用いて発酵、焼成した500g以上の塊】を指すので、日本のパンでいったら“食パン”ぐらいになってしまいます。噛み応えがあることも魅力のひとつ。柔らかい食べ物に慣れた現代の日本人にとっては、固さに驚くかもしれませんが、“噛む”ことも健康の第一歩。
固いものを噛むことでその美味しさを味わうところは、日本のお煎餅と感覚が近いのかもしれません。
それは、穀物の性質の違いからくるものです。
小麦にはグルテンという特別なタンパク質があります。グルテンは、小麦粉と水が合うと生成され、生地をねるごとにゴムのように粘りが出てきます。このグルテンを上手に作ることにより、発酵によって発生した生地中の空気を外に逃がすことなく風船のように膨らむことが出来ます。これにより、薄い外皮(クラスト)とふっくらと柔らかいあの風味が生まれ、しっとりとしたきめ細かい味わいになります。
これに対しライ麦には、グルテンがありませんから、発酵で発生したガスを保持出来ません。ライ麦だけの生地もいくらねっても、ただベタつくだけで、膨らまそうと思っても膨らみません。当然出来上がったパンも、外皮(クラスト)は厚く、どっしり無骨な出来上がりとなります。さすがにただこれだけでは美味しくありませんから、他のものを配合していきます。その一番の要素が、サワー種(ザワータイク)と呼ばれるライ麦を発酵させた発酵生地です。この発酵生地(種)によってライ麦パンの出来が左右されます。発酵生地(種)と言っても、ピンと来ないかも知れませんが、“ぬかどこ”みたいなものとお考え下さい。お漬け物に“ぬかどこ”が不可欠なように、ライ麦パンにもこれは不可欠なのです。
前述の、“ぬかどこ”みたいな発酵生地(種)が、酸味を創り出しています。あの独特な味わいは、あらかじめ発酵させた生地(種)がパン生地と一緒になって生まれ、風味豊かライ麦パンの源になります。現地では多くのパン屋さんが、それぞれに昔からの味を引き継ぎ今にいたっています。何十年も継ぎ足して出来た深みと奥行きが、ドイツパンの魅力を引き出します。
pupan bakeryでは、職人がドイツ滞独時お世話になった親方からこの“ぬかどこ”(発酵種)を譲っていただき、今も大事に継ぎ足しています。
それは、長い歴史の中での気候・風土がはぐくんできた食生活からです。
寒冷地のため、その昔はライ麦のように寒くても育つ穀物のパンが中心でした。小麦はとても貴重で、なかなか一般の食ではなかったそうです。
限られた食材のなかで、ライ麦を自然発酵させて、食に適した形になっていきました。
これに対し、日本は高温多湿の気候・風土ですから、稲の栽培が適し、お米を中心とした食文化・食習慣が育まれてきました。現在、食の欧米化、肉・脂肪摂取の増加にともない、食のバランスが変化し、本来の日本の食生活も変わりつつあります。
こんな昨今だからこそ、素材にこだわった体に優しいドイツパンもオススメです。
同じパンでも、気候・風土が変われば違って感じてしまいます。
欧州とコチラでは、小麦・ライ麦の品種が異なり、また粉の規格も違い、性質・風味が全く異なっています。
現在、日本の製パン用小麦は主にアメリカなどからの輸入されていて、強力・中力・薄力という言葉にも現されるように、どの程度膨らむかにより製粉されています。
これに対し、ドイツではどれだけ粉の中にミネラルが含まれているかで製粉されます。もとより小麦自体が力度が弱いですから、日本に一般的にある様なふっくら柔らかなパンにはなりません。でも、その分とても香ばしく風味豊かなのです。
「日本でも、ドイツ本場味わいをより多くの皆様に楽しんでいただきたい」と思っております。
気候・風土・文化・習慣・食生活が全く異なる日本で、現地の味を出来るだけ再現しながら、安心できる国産素材にこだわって、みなさんに安心してドイツパンを楽しんで頂けるようお作りしています。